「成分」中心PRの成功事例: HomeFacialPro

近年、肌に合うタイプの化粧品を求めるニーズが高まっている。中国社会科学文献出版社が発刊した「女性生活ブルーブック」(2016)で行ったアンケートによると、アンケートに回答した中国女性の約80%が肌のタイプに合わない化粧品を使用した経験があると答えている。

女性消費者が肌質に合った化粧品を選ぶために最も気にするのは化粧品の「成分」であるという。200万個以上に及ぶ化粧品の成分情報を検索できる「美丽修行」が、サービス開始3年で会員数1,000万人を突破したのも、中国女性の成分に関するニーズが高いことを裏付けている。

2019年、中国エッセンス市場TOP100ブランド(MeasureChina集計)の中、使用成分を強調していないブランドは1社もなかった。もはや成分はスキンケア、とりわけエッセンス市場において基本的に求められる要素となっている。

成分マーケティングの競争が激しさを増す中、2019年Tモール/タオバオのスキンケアエッセンス市場で8位にランクインした中国国内ブランド「HomeFacialPro(以下、HFP)」は、
1)商品名に成分名を明記2)商品ラインの組み合わせによる使用法の積極的なPR3)活用法に合わせたセット商品を販売という3つのポイントに力を注ぎ、売り上げにつなげた。MeasureChinaはこれら3つのポイントのシナジー効果こそが2019年HFPの主な成功要素と分析した。

成分名が商品名

HFPの商品名は、使用成分が直感的にわかるような工夫がなされている。 HFPはEstee LauderのAdvanced Night Repair、Lancomeの Genifique、L’OrealのYouth Code、 SK-IIのPITERA Essenceのように独自のラインを持っていない。その代わり、「オリゴペプチド エッセンス(寡肽原液精华)」、「ニコチンアミド エッセンス(烟酰胺原液精华)」、「アスタキサンチン エッセンス(虾青素原液精华)」等、直感的に成分がわかるような商品名を使用している。消費者は商品のパッケージや容器のラベルを確認するだけで商品の特徴や主な成分が把握できるというメリットがある。

成分を活用したマーケティング

HFPと他のブランドとの違いは、それぞれの商品を組み合わせた使用法を主なマーケティングポイントとしているところである。HFPは9つのエッセンス商品を中心に、求める効果によって必要な商品と成分の組み合わせ方法を消費者に提案するPR活動を行ってきた。1)美白とアンチエイジング効果を求める消費者にはニコチンアミド・エッセンスとスクアレン・エッセンスを、2)肌の鎮静やニキビケアが必要な消費者にはオリゴペプチド・エッセンスとカルノシン・エッセンスを、3)水分補給が必要な消費者にはヒアルロン酸・エッセンスとニコチンアミド・エンセンスを勧めている。

図1.KOL(左)および公式アカウント(右)を活用した各商品の組み合わせ方法|資料:HomeFacialPro RED(小紅書)アカウント

セット商品の販売

積極的なPR活動によって消費者の間でエッセンスを組み合わせて使用するニーズが高まると、HFPはPR活動でおすすめした商品をセット販売した。肌の鎮静やニキビケアに特化したオリゴペプチド+ラクトビオン酸エッセンス2種セットや、ニキビケアおよび毛穴縮小の4種セット、エッセンス全9種セット等を発売した。これらのセット商品は消費者がSNSなどで興味を持った組み合わせを手軽に試せるように構成されている。

HFPがセットを中心にした商品構成に変えると、当社のエッセンス商品(単品+セット)の中、セットが占める割合は2019年年初の30%から2019年5月には50%を突破、2019年10月には70%にまで及び、売り上げ増加に寄与している。

図2. HomeFacialProエッセンス売上高におけるセット商品の割合 | 資料:MeasureChina

HFPの成功の秘訣は、「商品の特徴を直感的に消費者へ伝達」「積極的な活用方法の共有」「PR活動でお勧めした商品をセット構成で発売」し、気軽に試せるよう工夫したところにある。HFPの成功事例は成分に関する消費者の関心が高くなったことを意味し、消費者のニーズが成分の理解を超えて活用の段階にまで発展しつつあることを示唆している。

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