M&Aシリーズ2:中国市場を見据えたM&A

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  • 過去20年間、グローバルコスメ会社の売上高で中国市場が占める割合は毎年急激に増加してきた。実際の需要規模は中国国内での売上高と免税店での売上高の一部からなっているため、正確には把握し難いが、Estee LauderやL’Orealの売上高が中国市場に占める市場占有率は約20%前後だと推察される。
  • また、中国のコスメ需要も毎年1桁台後半で成長し、世界最高の成長率を誇っている。
  • よってグローバルビューティー会社にとって中国は最も集中攻略すべき市場となっており、中国市場を見据えたM&A事例も増加している。
図1.中国市場攻略のためのM&A事例|資料:メジャーチャイナ

AHC x Unilever

  • 2017年、UnileverのAHC買収はコスメ業界で大きな意味を持つ。当時AHCの親会社であるCarver Koreaの売上高の約20%は中国市場によるもので、中国市場でAHCの人気が次第に高まっていくなか、Unileverが巨額の金を支払いAHCを買収したためである。
  • AHCの場合、韓国ではテレビショッピングでの成功で、中国ではローカル消費者の間で話題になり、速いスピードで成長できた。
  • シグネチャー商品である「アイクリームフォーフェイス」はダイゴウ(代購)の間で最も人気のあった商品である。中・低価格帯で良い品質のスキンケアブランドとしてイメージを固め、中国ローカルの間で良い評価につながったと思われる。

3CE x L’Oreal

  • ファッション通販サイト「Style Nanda」で2008年始めたコスメブランドで、 中国で本通販サイトの人気が高まるにつれ、コスメに対する需要も急激に増加した。
  • 新たなカテゴリーを紹介するたびに韓国および中国消費者の間で大きな反響を呼び、毎回成功裏に商品カテゴリー拡張し続けてきた。
  • 個性豊かな容器デザインに多様なカラー商品を発売し、競争力あるカラーコスメブランドで成長した。L’Orealは2018年5月、3CEの持ち分を100%買収した。買収価格は約6,000億ウォン台と推定される。
  • 3CEはまだ L’Orealホームページのブランドリストにブランド名を載せてない状態である。一定期間の中国攻略のための準備を終え、本格的にPR活動を開始すると期待されている。

Ci:z Holdings x Johnson&Johnson

  • 日本企業のCi:z HoldingsはDr.Ci.Laboの親会社である。保有している3つのブランドと共にスキンケアブランドのイメージが強い。Dr.Ci.Laboの場合、中国での存在感が強いため、Johnson&Johnsonが巨額を投資してM&Aを推進している。
  • コスメよりは日用品で有名なJohnson&Johnsonが今後スキンケアカテゴリーでの拡張も念頭に置いていることを意味する。
図2. 被買収企業の中国アリババプラットフォームにおける成果|資料:メジャーチャイナ
  • 中国市場攻略のために買収された企業の共通点としては、1)中国に隣接した国ブランドである点 2)すでに中国ローカル消費者の間で認知度の高い企業である点である。
  • 1) AHC、3CEは2つとも韓国ブランド、Dr.Ci.Laboは日本ブランドであり、全て中国と地理的に隣接した国のブランドである共通点がある。隣接している国の長所としては、スキンケアやメイク商品において肌のタイプや肌のトーンによって商品調整する必要がなくなる。つまり、買収前に販売されていた商品をそのまま活用し、中国攻略が可能であることを意味する。
  • 2) 3つのブランド共に中国国内で一定水準以上の売上を伸ばしており、順調に増加している。次第に人気が高まっているブランドを買収したため、良いPR活動を併用すれば、中国市場での存在感をさらに高めるチャンスでもある。
  • よって、今後これらの企業の中国内での行方に注目する必要がある。
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