インフルエンサー効果比較

インフルエンサーの影響、大規模なブランドVS小規模なブランドのどっちに大きく作用するのか?

KOLが売上高に与える影響

  • 多くの中国ブランドが有名インフルエンサー(以下、KOL)を起用し商品PRをしている。KOLは従来の広告より率直にそして面白く商品を紹介することで、多くのフォロワーから共感を得ており、その影響が購入にまでつながっている。
  • トップKOLに属する「李佳琦(Austin)」は海外からはLipstick King(口紅王子)と呼ばれ、彼が商品をPRするとすぐさまその商品が売り切れになるほど絶大な影響力を持っている。
  • すでに市場において強固な基盤のある大規模なブランドはKOLを活用した商品PRを狙っており、新規ブランドもKOLが自社商品をPRするとその波及効果が高いことを知っているため、その活用に積極的である。
  • KOLによるPR活動が規模の大きなブランドにより効果的なのか、それともあまり知られていないブランドにとってより効果的なのかは(売上高成長率)データ分析によって把握できる。

エッセンスカテゴリー

  • まず、スキンケアカテゴリーではすでに中国人に愛されているGuerlainのエッセンスと、未だ認知度の低いthe ordinaryのエッセンスを比較した。
  • Guerlainのゴールドエッセンスは去年からエッセンスカテゴリーTop20に入るほど、中国ローカルの消費者の間で有名な商品。2019年4月からは「李佳琦おすすめ」というメッセージを商品説明に入れて販売している。
  • the ordinaryは2019年6月から「李佳琦が商品をおすすめした」というメッセージをPRに加え、活用している。6月を起点とした販売データを調べると次のようになる。
図2. Guerlainとthe ordinaryの売上高推移|資料:メジャーチャイナ
  • 図2の青色の線は李佳琦がGuerlainのエッセンスをPRした時期である。4月の売上高を見ると前月比の売上高が325.9%増加している。一方、紫色の線は李佳琦がthe ordinary商品をおすすめしたことをPRし始めた月である。6月の売上高は前月比14.8%増加している。増加の幅は高くないが、6月の売上高が2019年月別売上高で最も高い数値を記録している。
  • エッセンスカテゴリーで確認できるものはすでに有名な商品がKOLを活用してPR活動をした時、より著しい成長を遂げたことが分かる。

口紅カテゴリー

  • 口紅カテゴリーでは2つの中国ローカルブランドを選定した。一つはすでに認知度の高いPerfect diaryであり、もう一つは比較的広く知られていないManslyである。
  • Perfect diaryの星动臻色金钻唇膏(Star dynamic gold diamond lipstick)は2019年春に新発売された口紅で5月に李佳琦がおすすめした商品である。5月から Perfect diaryは 李佳琦がおすすめした商品であることをPRに積極活用した。
  • Manslyは中国風の雰囲気が強く漂うパッケージでカラーメイク商品を作るブランド。4月に李佳琦が等ブランドの商品をおすすめした。
図4. Perfect diaryとManslyの売上高推移|資料:メジャーチャイナ
  • Perfect diaryの5月の売上高は前月比53.0%成長し、 Mansly の売上高は前月比14.8%成長した。エッセンスカテゴリーの結果と同じく、口紅カテゴリーにおいてもKOLの影響は認知度の高いブランドでより目立つ成果を挙げていることが分かる。
  • すなわち、消費者はKOLのおすすめを信頼してはいるが、すでに認知度の高いブランドの商品をおすすめされた場合、該当商品への信頼がより強固となり消費に繋がりやすくなると予想される。その反面、あまり知られていないブランドの場合はKOLのおすすめによって好奇心に駆られた購入はあるかもしれないが、持続的な消費には続かない可能性がある。
  • トップKOLを活用したPR活動は有名ブランドには効果的かもしれないが、中小ブランドにはインプットに比べ、アウトプットが期待に及ばないかもしれないので、まずは比較的小規模なインフルエンサーと協力するか、ブランド認知度を高めるPR活動を先決する必要がある。
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。