あなたはヴィーガンコスメを使っていますか?

I. ベジタリアンなコスメがある?:ヴィーガン(Vegan)コスメ

  • ヴィーガンコスメとは動物性原料が含まれていないコスメのこと。これは植物性原料で作られているコスメだけに止まらず、肌や環境にやさしい成分で作られたコスメをも含める概念である。
  • Grand View Researchによると、2017年基準、世界ヴィーガンコスメの市場規模はおよそ129億ドル。これは全てのコスメマーケットの約3%に当たるものである。絶対的な規模は大きくないものの、「ヴィーガン」であることを前面に出した新規ブランドが次第に増加してきており、既存ブランドの中にもヴィーガンコスメへと変更するケースが多く、今後の成長可能性の高いマーケットである。
  • 初期段階のヴィーガンコスメはおもにスキンケア商品であったが、近年はカラーメイク商品にもその範囲が拡がっている。

図1.世界コスメ市場の分布(カテゴリー別、2017年)

資料: Grand View Research

図2.世界ヴィーガンコスメ市場規模と展望

資料: Technavio

II. ヴィーガンコスメはなぜ人気なのか?

  • イギリスのマーケットリサーチ会社「Technavio」によると、ヴィーガンコスメ市場は今後5年間で毎年6%の成長が予想されている。
  • ヴィーガンコスメの成長の背景にはコスメ原料に対する消費者の意識が高まったことが挙げられる。動物性原料が使われているコスメは、過度に加工された化学成分が多く含まれており、生態系への悪影響をもたらしている。一方、植物性原料はアレルギー反応を起こしにくく、環境汚染にも繋がらないため、ヴィーガンコスメの人気はさらに高まると期待される。
  • ヴィーガンコスメブランドは、デパートやドラッグストアなどのような従来の販売チャネルより、ネット通販で販売が好調。Eコマースの発達が成長を加速した。
  • 従来のヴィーガンコスメはいくつかの主要ブランドがほとんどのマーケットをカバーしている構図だったが、近年は次第に新規ブランドがマーケットに参入している。

III. グローバル・ヴィーガンブランドの販売戦略

  1. 「エシカル消費」であることを強調:ヴィーガンコスメは体に優しい成分になっているが、パッケージも最小限にすることで、環境にも配慮しているものが多い。そこで、ヴィーガンコスメを使うことは「エシカル消費(倫理的消費)」であることを強調し、消費者の満足感を高めている。
  2. ローカルビジネス・スタートアップへの支援:従来のコスメ業界ではマーケティングに巨額な投資が可能な大手企業が有利な位置にあったが、ヴィーガンコスメ業界ではそのほとんどがネットで自社ブランドのPR活動を行なっているため、資本規模と売り上げの相関が低い。むしろ規模の小さいブランドが消費者とのコミュニケーションに積極的であり、消費者側も彼等の成長を支援している。

IV. 中国ローカルではカラーメイクを中心に認知度向上

  • メジャーチャイナ・ダッシュボードで「素(ベジタリアン)」を検索すると、関連キーワードの上位に「成分」が位置していることが分かる。即ち、これは中国ローカルでもヴィーガンコスメおよび成分に興味を持っていることが示唆される結果である。

表1.「素(ベジタリアン)」の関連キーワード結果

資料: メジャーコマース | メジャーチャイナ
  • ヴィーガンブランドの中国ローカル市場での売り上げは以下のようである。目立つ点としてはカラーメイクに強みを持ったブランドが高い売り上げを出していること。特に、アイメイクとリップメイク商品が多く販売されている。つまり、ヴィーガンコスメへの認識はスキンケアにまで拡がっているが、実際の販売はカラーメイク分野で多く行われていることが分かる。

図3. 主要ヴィーガンブランドの売り上げ推移(タオバオ/Tモール)

資料: メジャーコマース | メジャーチャイナ
  • ヴィーガンブランドはまだ中国で人気のあるカテゴリーとは言えない。ところが、Eコマースが非常に活発な国であることを踏まえると、エシカル消費への認識が高まるにつれてヴィーガンコスメも主要カテゴリーとして定着することが期待される。
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