日本とラグジュアリーコスメ

I. 日本ブランドの高い平均価格

  • メジャーチャイナ・ダッシュボードで国別のコスメの平均価格を比較した際、日本ブランドの平均価格は周辺アジア諸国に比べ、高価であることが目立つ。
  • 今年上半期のコスメブランドの中、上位20社の平均価格を国別に調べた結果、台湾・韓国・中国など他のアジア諸国は200元を切る一方、日本ブランドの平均価格である238.5元はフランスやアメリカに比べても大差がない水準である。
  • 今年上半期、中国で最も販売された日本のコスメ5品中3品は600元(約1万円に相当)以上の高価コスメであった。単品1万円以上の商品を日本国内では「ハイプレステージ」という。
図1:国別コスメの平均販売価格   資料:メジャーコマース | メジャーチャイナ

【2019年上半期】 日本コスメ上位5位の商品

資料:メジャーコマース | メジャーチャイナ

II. プレミアムスキンケアに強み

  • 今年上半期、淘宝(タオバオ)および天猫(Tモール)で販売された日本のブランド上位20位のランキングで見られる特徴は次のようなものである。
  1. 日本は高価なスキンケアブランドが強い: Shiseidoを除いて1位から4位までのブランドは全てプレミアムな価格帯のスキンケアブランドである。これらは今年上半期、一定水準の売上をキープしており、高価格帯にも関わらず、中国ローカルの消費者に愛されている。
  2. ダーマ(敏感肌)コスメブランドが目立つ:上位に位置している Freeplus, Curel, Bioreは全て敏感肌向けのブランド 。
  3. カラーメイクが見当たらない:上位20位のブランドランキングでカラーメイク のブランドはCanmake、Shu Uemuraのみ 。
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III. 高級化戦略で中国市場を席巻

  • 高い平均価格は日本コスメ企業の中国進出戦略によるものだと思われる。日本のコスメ企業は中国市場で「コスパのいいブランド」よりも「高価格帯のプレミアムブランド」に力を入れている傾向がある。
  • 中国国内で販売されている日本のプレミアムブランドの売上は毎月上昇している。
資料:メジャーコマース | メジャーチャイナ
  • P&Gグループのスキンケアブランド「SK-II」は、シーズン限定のボトルの発売・活発なコラボイベントの開催によって、消費者の購買意欲を高めており、「618商戦」などの大型商戦の際には売上をぐんと伸ばしている。
  • コーセーのCosme decorteは最近、最高峰ラインである「AQ Meliority」を10年ぶりにリニューアル。従来は中国に生産拠点を置いていたが、世界規模で人気のある商品を好む中国消費者のニーズに合わせて日本で生産する(made in Japan)方向へと戦略を修正。
  • Cle de peau beauteブランドを持っているShiseido社は、中国国内で最も効果的なマーケティングを展開している日本企業である。資生堂は中国の芸能人およびKOL(インフルエンサー)と共にCle de peau beauteのキャンペーンを実施し、積極的なPR活動を行うことで、自社ブランドに対する認知度・好感度の向上を狙っている。
  • 花王のスーパープレステージブランド「Sensai」も、最上位コスメブランド競争に加わる予定。Sensaiは欧州を中心に展開していたが、今年9月から日本に導入する予定であり、2020年には中国進出を目指している。
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